甘い毒に溺れ堕ちて
興味津々の茉耶の隣で、静かに写真を見つめる。


リアクションが大きい茉耶と違って冷静なのは、1度見たことがあるから。

教科書は購入した日に全て流し読みしているため、どんな内容で、どんな写真が掲載されているかは、だいたい把握している。


私もお腹にいた頃はこんなふうに過ごしていたのだろうか。


せっせと毎月病院に足を運んで、お医者さんにドキドキしながら診てもらって。

すくすく育ってますよって言われてホッとして、お腹を擦りながら愛おしそうに微笑んで。


帰り道も、早く会いたいなぁなんて呟きながら名前を呼んで……。



「成見くんは、赤ちゃんの頃どんな子だった?」

「めちゃめちゃ泣き虫で甘えん坊だった。声はふえ〜んって感じであんまうるさくはなかったらしいんだけど、毎日夜泣きしてたみたいで」

「ふえ〜んって可愛いね。女の子みたい」

「よく間違えられてた。生まれる前も女の子ですねって言われてたっぽくてさ。フリフリの服とかピンクの服しか用意してなかったから、急いで青い服買いに行ったって」

「藍だけに、って?」

「そうそう。来栖さんはどんな子だった?」

「私も甘えん坊って聞いたな。抱っこが好きで、ずっとママにベッタリだったらしくて……」


「ごめん、ちょっとトイレ」
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