甘い毒に溺れ堕ちて
ゴンッとお互いの頭がぶつかってしまった。



「ごめんっ」

「いや、俺のほうこそ。めくるの早かったよね」



額に手を当てて顔を上げる。

すると、思った以上に至近距離で、お互いに目を見張った。

さらにふわりと、懐かしさと清涼感のある匂いが
香ってきて、ドクンと心臓が大きく脈を打つ。


あぁ、また私ってば。何回も嗅いだことあるのに動揺しすぎ……。


目を逸らして座り直すと、ふふふっと小さく笑い声が上がった。



「……な、何?」

「顔真っ赤になってるなーって」



上品な笑い方だけど、口角の上がり方が、イタズラモードの時と同じ。



「真彩ちゃんはピュアだね。反応がいちいち可愛くて心臓もたないよ」

「そんなこと言われても……」

「あーあ、もう、耳まで真っ赤になっちゃって。俺をどうしたいの? 心臓破裂させる気?」

「っ……!」
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