甘い毒に溺れ堕ちて
捜索
「起立、礼」



梅雨も終盤に差しかかった7月上旬。

委員長の号令で一礼し、今週最後のホームルームが終了した。



「成見くん、じゃあね〜」

「またね。気をつけて」



先に帰り支度を済ませた来栖さんに手を振り返し、スクールバッグとトートバッグを肩にかけた。

ドアに向かうクラスメイトたちの隙間を縫い、窓際の席で荷物をまとめる彼女に声をかける。



「真彩ちゃんっ。お疲れ」

「おおっ。藍くんもお疲れ様」



後ろから顔を覗き込んだ俺に一瞬目を大きくしつつも、ふんわりと微笑んで返してくれた。

教卓に立つ担任に「さようなら」と挨拶し、2人で教室を出る。



「やっと終わったぁー。帰ったら何する?」

「お昼寝。でもまず先にシャワー浴びたい」

「今日は一段と暑いもんなー。帰るだけで汗だくにならない?」

「なる。というかもう既に暑い。藍くんは何する予定?」

「とりあえずアイス食べる。この前抹茶アイス買ったから、それ食べようかなって」
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