甘い毒に溺れ堕ちて
お見舞いに来てくれた時は胸が弾んだ。だるさも吹っ飛ぶくらい心が躍っていた。

けど、膝から崩れ落ちる姿を見て、自分がどれだけ無鉄砲で独りよがりな行動を取っていたのかを痛感した。


もうしない。もう2度と君の前では倒れない。


そう固く誓ってからは、健康管理に気を遣うようになった。


食生活を見直して、栄養価の高い物を優先的に食べたり、時間がない時はサプリメントに頼ったり。

お風呂の後はスマホをいじらず、真っ直ぐ寝床に就いて。こまめに塩分補給も行っている。


しかし──。



『ねぇ、真彩』



舌の上で転がしていたアメ玉をガリッと噛み砕いた。

もう1粒開封して口に含み、鍵を挿し込んで自転車を動かす。


寂しかった。心細かった。そばにいてほしかった。

レシピが見たいはすんなり言えたのに、なぜだかこの時は素直に言葉が出てこなくて。

脅したあげく力で押さえつけるという、最低な手を使ってしまった。



「……“行かないで”って、ガキかよ」
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