甘い毒に溺れ堕ちて
フッと、自嘲するように鼻で笑う。


翌日、10分早く登校し、廊下に連れ出して謝罪した。



『昨日は本当にごめんなさい』

『ごめんじゃ済まされないと思ってるけど……怖がらせて、本当に、ごめん』

『もう2度としないから……』



罵倒される覚悟はしていた。
ビンタが飛んでくることも想定して、歯も食いしばっていた。

自分より体も大きく力も強い相手。下手すりゃトラウマになってもおかしくないレベル。

怪我は負わなくても、心に一生残る傷を残してしまったのではないか。


だけど君は、優しく微笑んで──。



『大丈夫だよ。誰だって弱ってる時は人肌恋しくなるし』

『ビックリはしたけど、怖くはなかったから』

『少し回復したのなら良かった』



圧倒的な包容力に、心の中でひれ伏した。


輪廻転生があるとしたら、前世は女神様だな。今世では深い愛情で世界を包み込むという使命を持って生まれてきたんだろう。

仮に女神様じゃなかったとしても、人を救うとかして善行を積みまくってたと思う。


どちらにせよ、これから先もずっと、彼女には頭が上がらないということだ。
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