甘い毒に溺れ堕ちて
それでも毎日声をかけ続けた。


会った瞬間、露骨に嫌な顔をされたり、時には無視されたりもしたけれど。

私のしぶとさに根負けしたのか、はたまたほんの少し心を許してくれたのか、1ヶ月が経った頃、『優等生も大変だね』と嘲る顔で返された。


内容は皮肉めいていたが、目を見て返してくれたことが嬉しくて。翌日、担任に報告して感動を分かち合ったほど。


例えるなら、水と油のような関係。

交わることはあっても、混ざり合うことはないだろう。


そう思い込んでいた矢先──事件は起きた。



『──成見、一体これはどういうことだ』

『知らねーよ』



期末テストが終わり、夏が本気を出してきた7月の放課後。

担任にノートを提出した帰り道、生徒指導室から彼の名前が聞こえてきて。居ても立ってもいられず、ノックもせずにドアを開けた。



『あの……何かあったんですか?』

『おお、占部。実は、成見がタバコを持ち込んでいたようでな』
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