甘い毒に溺れ堕ちて





目が覚めた時、私は病院のベッドで寝ていた。

かかりつけ医の先生によると、軽度の脳震盪。

症状は既に治まっていたのだが、夏休みというのもあり、大事を取って数日間入院することになった。



「──おっ、成見くん。久しぶり〜」

「久しぶり。連絡ありがとう」



お見舞いに来た茉耶と話していると、病室のドアから藍くんが顔を覗かせた。



「じゃ、私はこのへんで。お大事に」

「ありがとう。またね」



荷物をまとめて椅子から立った茉耶。

入れ替わるように彼が着席し、藍くんと2人きりになる。



「おはよう真彩ちゃん」

「おはよう藍くん。すごい汗だね」

「チャリかっ飛ばしてきたから」



お馴染みの挨拶を交わす私たち。

お互いに笑顔を浮かべているが、どこか気まずさを感じるのはここが病院だからだろう。
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