甘い毒に溺れ堕ちて
化粧台の中にしまわれていた木箱が姿を現した。

引き出しが開いて、色とりどりの宝石たちが部屋のライトに照らされる。



「わぁ、綺麗ですね〜。これは、アクアマリンですか?」

「ええ! さっきテレビに映ってたのと一緒! お店の人に勧められてね〜。こっちはパールで、このオレンジっぽいのが琥珀! 息子の名前の由来にもなったのよ〜」



指を差して丁寧に教える祖母。

宝石ばりに瞳を輝かせて話す様子に、改めて血のつながりを実感する。


記憶力は衰えても、好きなものに対する思いは何歳になっても変わらないんだなぁ。



「で、確かここは……」



マシンガントークは止まらず、1番下の引き出しが開けられた。

中に入っていたのは、花のモチーフのアクセサリーたち。


あれ……? これって……。



「あらぁ、ここにあったのねぇ」



顔をほころばせた彼女が、くるみボタン付きのヘアゴムを手に取った。



「それ、は……」

「孫からの誕生日プレゼントよ」
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