甘い毒に溺れ堕ちて
──ドクンと、心臓が尋常じゃない速さで暴れ始める。



「毎年、お手紙と一緒にくれてね。遊びに来るたびに毎回着けてたの」

「そう、なんですか……」

「すごいでしょう? 全部手作りなのよ」



得意げに口角を上げた彼女から、「将来は世界一の作家さんね」と褒め言葉がこぼれた。


知ってる。

材料の調達から製作、ラッピングまで、全部1人でやったから。

訪問するたびに、じいちゃんと一緒に、歴代のやつ全部身に着けて出迎えてくれてたもんね。



「あらあら、どうしたの?」

「いえ……。なんか、感動しちゃって」



それ以上は、何も聞かなかった。


真彩ちゃん、君の言ってた通りだったよ。


消えてなかった。ちゃんと、残ってた。


鼻をすすり、受け取ったティッシュで涙を拭いながら自身の作品を振り返る。


所々、緩みがあったり、ガタついていたり。

市販のものと比べたら、お世辞にも完成度は高いとは言い切れないけど。


パーツ1つ1つに愛が込められているのを感じて、俺、案外いいセンス持ってんじゃんって。

自画自賛になっちゃうかな。



「素敵ですね」

「ええ。本当に、素敵よね」



化粧台の鏡越しに微笑み合う。


18歳初日。

また1つ、一生忘れられない思い出が胸に刻まれたのだった。
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