甘い毒に溺れ堕ちて
そう強調する対戦相手の彼は、隣のクラスの夏目 勇雅。

小学校時代のクラスメイトで、6年間同じ教室で過ごした。


当時は挨拶をする関係で友達と言える間柄ではなかったのだが、高校で再会したのを機に交流が復活し、今は昼休みや放課後を使って遊んでいる。



「デッキ、変えるべきかなぁ……」

「運要素多めだもんな。追加効果もほとんどサイコロ使うのだったし。今日みたいな感じだったら一撃でやられると思う」

「……敗者に向かって容赦ねーな。指摘は的確だけども」



悩ましい様子で手持ちのカードを見直す勇雅。


生徒会役員が学校でゲームってご法度なんじゃ……と、他校の人間が見たら真っ先に突っ込まれそうだが、ここでは許容範囲内。

ゲームはゲームでも、ゲーム“機器”の持ち込みが禁止。

アナログゲームに関しては言及されていないため、ギリOKという認識で通っている。



「他に強いやつは持ってないの?」

「一応あるっちゃあるんだけど、癖が強いから今の手持ちと合わせづらいんだよなー。できることなら箱買いしてレパートリー増やしたいけど、秒でお小遣い吹っ飛ぶし」
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