甘い毒に溺れ堕ちて
自転車を押し歩いて学校を後にし、2人で帰路に就く。



「今日は間に合った?」

「おう。ちょっと早く出たから3分前に着いた」

「……着いたって、どっち? 校門? 教室?」

「校門。途中で先生と合流したから、教室には時間ピッタリで入った!」

「……」



担任と一緒に入室したことを伝えたら、ジト目で黙り込んでしまった。



「なんだよその顔。間に合ったんだからいいだろ」

「そうだけどさ……もうちょい早く来れねーの? 昨日みたいに、せめて5分前にはさ」

「そうしたい気持ちは山々だけど……つーかなんで知ってんの。俺が来た時校門にいなかっただろ」

「占部さんから聞いたんだよ。後ろから大声で挨拶されて、心臓止まるんじゃないかと思ったって」



「お前ってやつは……」と呆れ顔で溜め息をついている。


恐らく勇雅が言ってるのは、生徒会と風紀委員会による朝の挨拶運動のこと。今学期は真彩ちゃんと来栖さんが担当しており、朝イチで登校したと聞いた。

2人とも勇雅とは初対面だったが、俺の名前を出したらすぐ打ち解け合えたらしい。
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