甘い毒に溺れ堕ちて
「昔は普通に登校できてたのに……」

「3年も経てば色々と変わりますから」



学区の関係上、卒業後は別々の中学へ。

小学生時代は遅刻ゼロの模範生だったから、再会して間もない頃は、髪色も含め、同一人物かと疑われた。



「低血圧?」

「いや。寝起きはいいほうじゃないけど、毎日決まった時間に起きてるから。違うと思う」

「毎日なら休みの日も?」

「うん。平日と同じか、早い時は6時に起きてる」



正直に答えたら、「早っ! じいちゃんばあちゃんかよ!」と突っ込まれた。


挨拶運動の日は知っていた。その日の当番がうちのクラスなのも知っていた。

前日に登校準備を済ませて、目覚まし時計とスマホ、それぞれ最大音量でセットして。

運良く20分前に目が覚めたから、余った時間で家事に手を回していたのだけど、思いのほか手間取ってしまい……。

いつかの真彩ちゃんみたいに、10分遅れで出発した。



「観たいテレビでもあんの?」

「……まぁ、そんなとこ」

「アニメ? バラエティ? ニュース番組?」

「俺がニュースのために早起きするように見えるか? なんだっていいだろ別に」
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