甘い毒に溺れ堕ちて
横並びで歩きながら、ズボンのポケットから日焼け止めを取り出して渡した。


土曜日は、茉耶との散歩の日。


元は来栖家だけの習慣だったのだが、小学校高学年の頃に、『まあちゃんもやろうよ!』と誘われて、不定期で参加するように。

卒業するまでは4人で、中学からは茉耶と2人で、悪天候の時以外は毎週行っている。



「茉耶さん、今日はどのコースにしましょうか?」

「公園で! 藤の花が咲いてるみたいだから観に行こうよ」

「了解っ」



週に1度の、大切な友との、リフレッシュの時間。

日々の煩わしさから解放される、唯一の時間──。



20分ほど歩いていると、公民館の屋根が見えてきた。


目的地の公園は公民館の近くにあり、子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層に愛されている。

近隣の小学校出身のクラスメイトが言うには、課外授業や歓迎遠足の行き先としても使われているらしい。
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