甘い毒に溺れ堕ちて
サラリと口にした数値が、グサリと胸に突き刺さる。


14歳で170超え……かつてのクラスメイトも、高めの子はみなそれぐらいだったような。

男と女じゃ性質からして違うし、あっちは成長期真っ只中だし。


まだまだこれからも伸びるんだろうけど……。



「真彩ちゃんも綺麗になったよね」

「え」

「あ、元がダメとかじゃなくて。伯母さんに似て、大人っぽくなったなーって意味で」



爽やかな笑顔でサラリと褒められた。


昔からそうだった。

明るくて優しくて穏やかで。笑うと目がなくなるのが、また可愛くて。

その笑顔を見たさに、彼の周りには常に人が集まっていた。


身内だから胸キュンはしないけど、むやみに褒めるのは気をつけたほうがいいと思うよ。あなたのビジュアルだと、勘違いする子が出てきてもおかしくないから。


感謝とともに伝えると、案の定「くははっ、なんだそれ」と笑われた。



「伯母さん、元気?」

「うん。毎日ワイワイバタバタしてる」

「あー、確か共働きなんだっけ。仕事もしながら子育てもするってすごいよな」

「……うん」



すごいよね。私もそう思う。


日中は仕事、帰宅後は家事と育児。

週末の休日も、どちらも家事と育児で埋まる。一息つけるのは家族が寝静まった後。


これを私が生まれた時からずっと、15年以上も続けている。並大抵の覚悟がないと務まらない。



「尊敬するよ」

「ははは……」



けど、どうしても、その言葉だけは同調できなくて。

精いっぱい口角を上げて、作り笑いを浮かべた。
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