甘い毒に溺れ堕ちて
「おはよう〜……」

「成見くん、おはよう〜」

「おはよう、藍くん。今日もギリギリセーフだったね」

「自転車かっ飛ばしてきたから……」



目尻の涙を拭い、寝ぼけ眼で自身の席へと向かう藍くん。

爆速で運転してきたのか。大丈夫だったかな。痛がってる様子は見受けられないから、無事に登校してきたんだろうけど……。



「なんか今日、顔色悪いね。クマもできてたし」

「きっと寝不足なんだろうね」



号令を終えて、チラリと斜め後ろを見ると、早速かばんを枕にして寝ていた。

遅刻は免れたとはいえども、来てすぐ寝るのもいかがなものかと思う。運転中に眠気が襲ってきていたら、最悪事故に……なんてこともありうるから。



「夜ふかししてたのかなぁ」

「ゲームしたり音楽聴いたり、スマホで動画観たりとかね」

「そうそう。私もたまに、動画観ながら寝落ちしてるから」



てへへと舌を出した茉耶。


可愛く笑えば誤魔化せると思ってるな……。

夜ふかしは私も経験あるから責めはしないけど、寝落ちって、ほぼ気絶のようなものだよね?
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