甘い毒に溺れ堕ちて
ズキン。

最後の最後の一言で、おとなしく身をひそめていた罪悪感が顔を出した。


……このまま真実を偽って、墓場まで持っていく手もある。


だけど──。



「待って」



立ち上がった彼の腕を掴み、呼び止めた。

案の定驚かれたけれど、私の顔を見るやいなや、ただ事ではないと感じたようで。

慌てて座り直し、心配そうに顔を覗き込んでくる。



「どうしたの?」

「……ごめん」

「え? 何が?」

「あの、卵焼き……本当は私が作ったのじゃないの……っ」



のどから声を絞り出す。


クッキーの材料が買えなくて卵焼きにしたこと。

準備していた卵を先に使われてしまい、自分の手で調理できなかったこと。


お金が盗まれていたことは伏せて、全て白状した。
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