甘い毒に溺れ堕ちて
左右非対称だった口角が、別の意味で再び姿を現した。



「えっと、それは……」

「言葉のままだよ。俺がパン食べたいって言ったら、真彩ちゃんはコンビニか購買でパン買ってくるの」



要はパシリらしい。


恩人を召使いするとは。さすが入学1ヶ月で金髪にしてくるだけあってなかなかいい度胸してるな。自分で恩人って言うのもあれだけど。

なんでもいいと言ってしまった手前、拒否はしないが、万が一のルートも尋ねてみる。



「もし嫌って言ったらどうなるの?」

「真彩ちゃんが嘘ついたこと、みんなにバラしちゃおっかなー」



聞かなきゃ良かった。

後悔しても遅く、全身の血の気が引いていく。


しょうもない嘘。

私がただの一般生徒なら、上手く交渉して撤回させることができたかもしれない。



「……わかった」

「やったぁ」
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