甘い毒に溺れ堕ちて
言いなり
翌朝。



「──はいっ。完成!」



もう片方の毛先をシリコンゴムで結び、前に座る茉耶に手鏡を渡した。



「わぁ〜! 可愛い〜!」

「ヘアスプレーないから少しきつめに編んだ。引っ張られてる感じとか、痛みとかはない?」

「全然! 大丈夫!」



鏡越しに確認すると、そのままくるりと振り向いて、「まあちゃんありがとう〜!」と私のお腹に抱きついてきた。


教育テレビに出ていた芸能人の髪型を見て、『かわいい! はづもやりたい!』とおねだりされてから、早1週間。

毎晩寝る前にレクチャー動画を観ながら自分の髪で練習し、ようやく昨日1人で編めるようになった。



「今度は私がしてあげるね!」

「嬉しい。何作ってくれるの?」

「編み込みリボンお団子!」

「リボン? お団子がリボンの形なの?」

「うんっ! まだ練習中だからお団子しか習得できてないけど。最近SNSで、アイドルの女の子がやっててね〜……」
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