甘い毒に溺れ堕ちて
正直に答えつつも、場の空気を壊さずに乗り越えられて、安堵する。


人見知りでも、話すのが苦手ってわけでもないけど、違うタイプの人との交流はやっぱり緊張する。

ムードメーカー的存在の人、いわゆる陽キャラに当てはまる人は特に。


いつも楽しそうにしてるから、盛り上げるつもりが逆にしらけさせてしまったら考えると、スラスラと言葉が出ないんだよね。

私じゃなくて藍くんがいたら、きっともっと大笑いが起こってただろうな。



「おはよう〜」



前方のドアがゆっくり開いて、ちょっぴり気だるげな声が聞こえた。

現れたのは、ついさっき脳内に思い浮かべていた金髪の彼。



「おはよう成見!」

「珍しく早いじゃん!」

「信号が全部青でさ。スイスイ来れた」



ニカッと白い歯を見せて笑っているけれど、時刻は始業の3分前。彼が元遅刻魔さんなのは既に周知されている。


ここで3分前なら、恐らく到着したのは5分前。


トイレにでも行ってたら遅刻寸前なのに、この落ち着きよう。私だったら考えられないし信じられない。自転車停めた後、教室まで猛ダッシュで行く。
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