甘い毒に溺れ堕ちて
ガードしていた手を掴まれた。

少し距離が離れたかと思うと、藍くんは掴んだ私の手を自分の顔に近づけて──。



「どう? こう見えて毎日トリートメントしてるんだよね」



だろうね。ただ洗って乾かして、だけじゃ、こんな絹みたいな柔らかさは出せない。

編んだ時も指通りが良すぎて、緩めた途端ほどけてしまいそうだったから。



「真彩ちゃんの髪も綺麗だよね」

「そ、そうかな」

「艶があって、天使の輪が光ってて。風に揺れるたび、こっそり目で追ってた」



指先、手の甲、手のひら。

彼に触れている部分が、じわりじわりと熱を持つ。


熱い。顔から湯気が出てるんじゃないかと思ってしまうくらい、火照っているのを感じる。

心臓も尋常じゃない速度で動いていて、これ以上近づかれたら、意識が吹っ飛んでしまいそう。



「今度は真彩ちゃんの髪も──」
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