【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
そんなことを思っていたら、横から誰かがサッと現れて、私に声をかけてきた。


「乙葉ちゃん」


振り向くと、そこに立っていたのは、まさかの由良ちゃんで。


彼女はニコニコしながら私の腕をギュッと掴んでくる。


「ねぇねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」


急に話しかけられて驚いたけれど、さっそく「乙葉ちゃん」と呼んでもらえたのが嬉しくて、笑顔で頷く。


「あ、うん。いいよ」


「それじゃ楓、またね」


由良ちゃんは楓くんにそう告げて手を振ると、私の手を引いてスタスタと歩きだす。


そして、少し離れた社会科準備室の前で立ち止まると、その中に私を連れ込んだ。



< 257 / 350 >

この作品をシェア

pagetop