【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
思わず間抜けな声が出る俺。


「ちょ、ちょっと待てよ。フラれたってお前、告ったの?」


「そうだよ。抜け駆けしてごめんね」


「え……」


ウソだろ。いや、眞白もきっと乙葉のことを好きなんだろうってことは、俺だって気づいてたけど。


まさか、乙葉が眞白のことをフるなんて、予想外すぎて。


だったらあの時の乙葉の言葉は、何だったんだ?


眞白がいいって意味じゃなかったってことかよ。


なんで……。


驚きのあまり言葉を失う俺の耳元に、眞白の穏やかな声が響く。


「僕じゃダメなんだってさ。だから、乙葉のことは楓がちゃんと守ってあげてよ」


その声はなんだか悔しそうで、でも、どこか優しさに満ちているようにも聞こえて。


「乙葉が必要としてるのは、僕じゃない。楓なんだよ」



< 323 / 350 >

この作品をシェア

pagetop