その海は、どこまでも碧かった。

「キャ…」



首が冷たくなってビックリした



「変な声出すな!」



碧くんが買って来たペットボトルを

私の首にあてた



「ごめんね
碧くん気使ってくれた?」



「別に…
喉がかわいたから…」



碧くんと土手沿いを歩いた



「元カレ、いたね」



「うん…」



「やっぱり別れなきゃよかったって思った?
そしたら私も浴衣で来れたのに…って…」



「思わないよ」



「楽しそうだな
高校生
海もこれから合流する?」



「んーん…
私だけ浴衣じゃないし…
碧くんと一緒に見たいから…」



「海、いつもオレと一緒って言ってくれるけど
オレといたら、取り残されるよ

周りがみんな彼氏彼女いるのに
海はずっとひとりだよ

そのうちみんな結婚して子供ができて…」



碧くん

なんで

そんなこと言うの?



「碧くんは、私がいると、邪魔なの?」



碧くん

あの人と花火大会来たかったかな?



「まあ、いいや…
ごめん、花火大会でこんな真面目な話」



碧くん

話終わらせた



ドーン…ドーン…



「あ、始まった!
海、あっちで座って見よう」



碧くんが手を繋いでくれた



「うん…」



熱くて

夏みたい



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