その海は、どこまでも碧かった。

「海、青春してんね
オレはもぉ何年前のことかな…」



ちょっと余裕ぽく言ったけど

胸騒ぎする



20歳になった大人の余裕

海に見せなきゃ



「碧くんにも青春あったの?」



「青春…ないかな…
や…なかったわ、やっぱり」



考えたけどなかった

高校時代はヤローと遊んでた

青春てなんだ?



「碧くん彼女いたことあった?」



「んー、ないかな…」



ないかな…って

ないだろ



「告白されたこともしたこともないの?
なんで彼女作んないの?」



「告白されたことは…あったかな…」



「碧くん、女の子に興味ないの?」



「あるよ
そりゃ、オレだって…
…
オレ、相当理想高いからさ」



「付き合いたいと思えるような女の子に
まだ出会ったことないの?
碧くん、そんな理想高いの?」



「出会ってる…よ…
けど、自分に自信ない
告白したら、なんて言われるかな…って…
ずっと考えてたら青春が終わってた」



今まで何度か告白というものをされた



女の子に興味がないわけじゃなくて

オレが手を繋ぎたいと思うのは

オレが抱きしめたいと思うのは

オレがキスしたいと思うのは

いつも海だった



海以外に興味がなかった



手を繋ぐことは日常茶飯事

ハグもキスも海とはしたことある



なのに

海はオレの彼女じゃなくて

オレの幼なじみでしかない



「オレの彼女になってほしい」

そんな告白したら

もしかしたらこの関係も終わるかも



それだけは

絶対嫌なんだ


< 14 / 142 >

この作品をシェア

pagetop