ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
日本に着くと、僕はまっすぐに花音のもとへと向かった。


花音は、光英大学病院内の『事務部長室』で仕事中だった。厳しい目つきでパソコンを見つめ、その周りは書類があふれかえっている。病院関係以外の書類も多い。
多くの業種に関わっている”一条グループ”は現在、花音の父親が総帥としてトップにいる。一人娘の花音も多くの仕事を任されていた。


「孝弘、おかえり。どう?ニューヨークは」


パソコンから視線を離すことさえなく、花音は淡々と言った。


「報告した通りさ。すべて順調、人脈づくりのほうも抜かりない。
花音のほうはどうなんだよ?」

「まぁまぁよ。事務部長職は一年の期限付きだからね。学ぶことは多いわ。
それにしても、いいタイミングで帰って来た。
琴羽に聞いた?昨夜うちのスタッフの住んでたアパートが火事になってね。琴羽、今日はその後始末に奔走してもらってるの。
少しでも早く終わらせたいから、孝弘も行って手伝ってくれない?弁護士が出ていけば話もスムーズになるでしょ」

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