ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜

「二葉先生」

この声は、琴羽さん？

ドアの向こうから現れたのは琴羽さんだ。なんてグッドタイミング！

「お迎えに参りました。もう、帰宅の準備はできていますか？」
「お迎え？とんでもない！琴羽さん、お忙しいのに。私はマンションの住所さえわかれば自分で帰れますので」
「車ならわずか10分ほどです。私も本日の報告を終えて帰宅するところでしたので、どうぞ」

いつもなら、申し訳なくてもっと強くお断りするところだけど。長野先生から離れるためには、この絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。

「助かります。ありがとうございます。では、お言葉に甘えます。
長野先生。もし凜ちゃんにに何かあればすぐに呼んでください」

「あ、あぁ」

「じゃ、琴羽さん、お願いします」

私は長野先生をそのままに、琴羽さんの腕を引っ張るように医局を出た。