ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「あんな火事に遭って、何もかも無くして。こんなやけどまで負って本当にツイてない。それなのに無事だった。住むところなくしてしまったけど、見つけた住まいは偶然僕の部屋だった。
マナはツイてないことが多いけど、必ず、その裏返しのツイてたこともある」

僕は、マナの隣にくっつくようにして座った。その頬の痛々しいガーゼにそっと触れる。

「琴羽ちゃんのママは亡くなってしまったけれど、マナが琴羽ちゃんのママのような医師になれる可能性をちゃんと残してくれた。
ねぇ、マナ。実は琴羽ちゃんのママには、やり残したことがあるんだ。
理想の病院を作ること。それは地域の人々に頼られる病院。マナのように意欲のある若者に門戸を開いて勉強ができる環境も兼ね備えている病院。
琴羽ちゃんはずっとその理想を形にしたいと思ってる。
それは、僕たちの夢にもなっている。琴羽ちゃんのママの名前を取って、『まこと記念病院』開設を目指しているんだ。まだまだ道半ばだけれど、マナも一緒に琴羽ちゃんのママの夢を叶えないか?」

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