ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜
チャンスを逃すな、とジュンさんは言ったけど。

チェックインの時間はとっくに過ぎて、外に夕焼け空が広がる時間になっても。
夕焼けから夕闇の時間になって、ハワイの街に灯りがともる時間になっても。
僕の携帯電話は、なんの反応もしない。

僕は焦りを感じながら、時間を持て余してパソコンを開く。
仕事や勉強に関するメールの処理をしながらも、しょっちゅう携帯を見てしまう。


やっぱり、電話番号渡すだけじゃダメだったか。チャンスは来ないのか。


彼女に、もう一度会いたい。
このホテルに泊まっているのは間違いない。どこの部屋に泊まっているのか、調べてしまおうか。弁護士だと言えば教えてくれるか？いやいや、職権の乱用はよろしくない。

このホテルストリークは『一条グループ』だ。次期グループ総帥で、幼なじみの花音の名前を出せば、できないことはない。
ダメだ、そんなことをすれば花音の耳に余計なことが伝わる。あいつに面白がられて余計な事されてしまえば、絶対に二葉さんに迷惑をかけて引かれる。二度と会ってもらえないだろう。

うーん、どうしたものか。


仕事も勉強も手につかない。二葉さんの声や笑顔が脳裏に焼き付いて落ち着かない。


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