リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
胸に抱く寂静
×月×日

 ロナウドは仕事があると言って奥に籠っている。
 彼は忙しいのだ、わざわざ座する必要はないと思っているのだろう。
 さっきも挨拶程度で、お茶を飲みながら語らうような会話も話題も持ち合わせていなかった。

 人嫌いな彼ではないが、ロージーを前にすると臆するらしい。

『あまりにも美人過ぎて緊張から話が持たないよ』

 そう言って笑うのだ。

 私が昏睡状態の時、二人は交代で看病したと聞く。
 考えてみれば、私がこの邸に戻ってからは二人が顔を合わせる機会はそう多くない。 親しくないわけではないが、そう親密なわけでもないはずだ。
 私とロナウドが夫婦になれば、ロージーとも交流は増えていくだろうし、縁談の協力だって必要になる。
 これからはホワイト家との往来を増やすべきなのかもしれない。
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