お見合い婚で一途な愛を ~身代わり妻のはずが、御曹司の溺愛が止まりません!~
「だからごめんて。 ま、とりあえずあがってよ。 兄さんもキレてないで。猫、見に来たんだろ?」
「そうだね。 詳しい話はまたあとで、ふたりで、ね」
「おお、こわっ」
航太郎さんのにこにこしてるのにぎろりとした鋭い視線に、冴木が怯えた素振りを見せる。
この兄弟、仲良さそうだ。
「ふわぁ……ちっちゃい…可愛い…」
冴木が保護した子猫は、サバトラと呼ばれる模様で、冴木が動物病院に連れていったところ、生後半年と推定されたらしい。
あまりの可愛さに今すぐ抱きたくなるものの、突然知らない人が近づくのは良くない。
「なんか、ちょっと航太郎さんに似てるかも」
相手が小さいので無意識に小声で話してしまう。
隣で私と同じように正座する航太郎さんは、訝しげな顔をした。
「すっごい可愛い顔してるのに、模様が黒と銀って、ちょっと鋭い感じが強そうっていうか。航太郎さんも、そんな感じの時があるから…」
私がわけを話すと、彼は納得したようで頷く。
それからにやりと笑って言うのだ。
「それって、夜のはなし――」
「やめてください! 子猫の前でなんてことを…!」
咄嗟に猫を言い訳にするも、突然の爆弾投下に心臓の鼓動が一気に早くなる。
幸い、キッチンにいる冴木には聞かれていないが、このままでは私の心臓が持たない。
新婚旅行で敢え無くして初夜を迎えてしまったものの、それきりなのだが、彼はこうして意味深に話題に取り入れてくる。
『ね、今夜は一緒に寝ようよ。 風呂上がりの君は色っぽくて、襲いたくなっちゃうんだよね』
とか、
『してほしいこととか、ある? 仰せのままに、どんなことでも――』
とか!
私がどれだけ抵抗しても、航太郎さんは甘くしつこく迫ってくるし……。
毎回なんとか逃げ切るものの、イベント頻度が高いだけに色々と疲れる。
「どう?おふたりさん。 本当に飼うかどうかはまた二人で話し合って決めたらいいから」
「うん。前向きに検討します。 ね、航太郎さん」
「そうだね。この子が幸せになれるように」
責任重大だ。
航太郎さんの言う通り、しっかり考えよう。
「そうだね。 詳しい話はまたあとで、ふたりで、ね」
「おお、こわっ」
航太郎さんのにこにこしてるのにぎろりとした鋭い視線に、冴木が怯えた素振りを見せる。
この兄弟、仲良さそうだ。
「ふわぁ……ちっちゃい…可愛い…」
冴木が保護した子猫は、サバトラと呼ばれる模様で、冴木が動物病院に連れていったところ、生後半年と推定されたらしい。
あまりの可愛さに今すぐ抱きたくなるものの、突然知らない人が近づくのは良くない。
「なんか、ちょっと航太郎さんに似てるかも」
相手が小さいので無意識に小声で話してしまう。
隣で私と同じように正座する航太郎さんは、訝しげな顔をした。
「すっごい可愛い顔してるのに、模様が黒と銀って、ちょっと鋭い感じが強そうっていうか。航太郎さんも、そんな感じの時があるから…」
私がわけを話すと、彼は納得したようで頷く。
それからにやりと笑って言うのだ。
「それって、夜のはなし――」
「やめてください! 子猫の前でなんてことを…!」
咄嗟に猫を言い訳にするも、突然の爆弾投下に心臓の鼓動が一気に早くなる。
幸い、キッチンにいる冴木には聞かれていないが、このままでは私の心臓が持たない。
新婚旅行で敢え無くして初夜を迎えてしまったものの、それきりなのだが、彼はこうして意味深に話題に取り入れてくる。
『ね、今夜は一緒に寝ようよ。 風呂上がりの君は色っぽくて、襲いたくなっちゃうんだよね』
とか、
『してほしいこととか、ある? 仰せのままに、どんなことでも――』
とか!
私がどれだけ抵抗しても、航太郎さんは甘くしつこく迫ってくるし……。
毎回なんとか逃げ切るものの、イベント頻度が高いだけに色々と疲れる。
「どう?おふたりさん。 本当に飼うかどうかはまた二人で話し合って決めたらいいから」
「うん。前向きに検討します。 ね、航太郎さん」
「そうだね。この子が幸せになれるように」
責任重大だ。
航太郎さんの言う通り、しっかり考えよう。