お見合い婚で一途な愛を ~身代わり妻のはずが、御曹司の溺愛が止まりません!~
「咲希さんは? 連絡とかあったりするの」
「俺にはないけど、翠のほうには……」
「ありません。 電話はしてみるんですけど、出てくれなくて」
音信不通もいいとこだ。
両親だって、心配しているだろうに、本当、お姉ちゃんてば何してるんだろうか。
「そう。 まぁ、咲希さんなら大丈夫でしょ」
航太郎さんといい冴木といい、何を根拠に大丈夫だなんて言うのかわからない。
微妙な空気になったところに、冴木がわざとらしく明るい声を出した。
「ふたりはどうなんだよ。 新婚だろ、よろしくやってんの?」
「やめてよ。 私たちそういうんじゃないの、知ってるんでしょ」
話題のチョイスがおかしいよ!と若干苛立ちながらお茶を啜る。
無駄に美味しいのがまた憎たらしいな。
すると、航太郎さんがにやりと笑った。
「この通り、俺たちは仲良くやってるよ」
言うなり、航太郎さんが私の腰を抱き寄せる。
「ち、近いですよ! 離れてください」
「そんなこと言って、本当は嬉しいくせに」
「誤解が生まれます…! 変なこと言わないで……」
急接近で心臓がドクドクしているのを悟られないように、大袈裟に逃げようとする。
けれど冴木は、「自分で聞いておいてなんだけど」と前置きしてから、苦笑いで言った。
「うん、ご馳走様」
「もう…冴木まで!」
終始兄弟に翻弄された感がありつつ、子猫については後日連絡するということで私たちは帰宅した。
「俺にはないけど、翠のほうには……」
「ありません。 電話はしてみるんですけど、出てくれなくて」
音信不通もいいとこだ。
両親だって、心配しているだろうに、本当、お姉ちゃんてば何してるんだろうか。
「そう。 まぁ、咲希さんなら大丈夫でしょ」
航太郎さんといい冴木といい、何を根拠に大丈夫だなんて言うのかわからない。
微妙な空気になったところに、冴木がわざとらしく明るい声を出した。
「ふたりはどうなんだよ。 新婚だろ、よろしくやってんの?」
「やめてよ。 私たちそういうんじゃないの、知ってるんでしょ」
話題のチョイスがおかしいよ!と若干苛立ちながらお茶を啜る。
無駄に美味しいのがまた憎たらしいな。
すると、航太郎さんがにやりと笑った。
「この通り、俺たちは仲良くやってるよ」
言うなり、航太郎さんが私の腰を抱き寄せる。
「ち、近いですよ! 離れてください」
「そんなこと言って、本当は嬉しいくせに」
「誤解が生まれます…! 変なこと言わないで……」
急接近で心臓がドクドクしているのを悟られないように、大袈裟に逃げようとする。
けれど冴木は、「自分で聞いておいてなんだけど」と前置きしてから、苦笑いで言った。
「うん、ご馳走様」
「もう…冴木まで!」
終始兄弟に翻弄された感がありつつ、子猫については後日連絡するということで私たちは帰宅した。