粗大ごみを拾ってしまった(番外編その3)大森VS巫女の不適切な接触問題

悩ましいネクタイ問題・2-6ページ

<貸し会議室・14時>

大森は雑居ビルの貸会議室のドアを開けた。

かなり、広い・・・
このくらいなら問題ないだろう。

会議室なので机がラウンド状になり、椅子が20人分くらい置いてある。

大森は一番奥のテーブルの椅子に座り、書類を取り出した。

「おーい・・大森来てる?・」
瞑王が入り口のドアを開け、
顔をのぞかした。
「はい、そちらにお願いします」

大森は指を一番遠い場所を指した。4メートルは離れている。

「おいで、リシェル・・」
瞑王に続いてリシェルが入ってきた。

今日は女子高校生スタイル。
髪は三つ編みにしている。

紺色のブレザーに赤とグレーのタータンチェック柄のプリーツスカート。
紺色のハイソックス。
胸元には臙脂色(えんじいろ)の大きなリボン。

私立の中高一貫のお嬢様学校の生徒のようだ。

大き目の手提げ(てさげ)バックを持ち、
ピアノレッスンの帰りという感じになっている。

街を歩いていたら、確実にナンパされる・・・・。
いや、学校の登校の送迎は、運転手付きの外車だろうか・・・

そんな雰囲気が彼女にはある。

「こんにちは・・」
リシェルはそう言って、大森に軽く頭を下げた。
顔を上げたリシェルの目が輝いた。

なぜなら・・

今日の大森のネクタイは、
リシェルの送ったあの緋色の
ネクタイだったからだ。
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