粗大ごみを拾ってしまった(番外編その3)大森VS巫女の不適切な接触問題
<貸会議室・15時40分>

その時

リシェルは素早く、自分の手を
大森の手から離した。

「やばっ・・来る!」

リシェルは立ち上がると、
元の席に戻り、

机の上に顔をふせるように
うつぶせになった。

「悪い・・待たせて」
瞑王が入ってきた。

「おい、リシェルどうした、
具合が悪いのか!?」

リシェルは顔を少し上げて、

「お薬を2倍飲んだので・・
眠くて・・ごめんなさい・・」

「お前、
ちゃんと自己管理しろよな、
まったく・・
じゃあ帰るぞ」

瞑王は
4メートル先に座っている
大森を見た。

「悪いな、大森、
リシェルを送るから。
今日はこれで」
「わかりました」

大森は、
机の上の書類を束ねはじめた。

「あ・・・」

大森の目の前には・・・

例のラップの箱が残っている。

大森は、書類に紛れ込ませるように、ラップの箱を回収して
ビジネスバックに入れた。

「私はここの鍵を返却しなくてはならないので・・
先に退出をお願いします」

「また、連絡するから」

瞑王はそう言うと、
リシェルの肩を抱くようにして、
部屋から出た。

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