お嬢の神隠し
「何この建物?!」
「後で説明する」
目の前には三階立ての建物があった。
大っきいガレージのシャッターが開き、その中から数人が出でき、秀羽と凛太郎を連れていった。
「バイク、その中に停めといて」
ガレージの中には色んなバイクが並んでいた。
にしても、なにここ。
「莉乃ちゃん、上に上がって。2階の1番奥の部屋で待ってて」
「うん、分かった」
いつもチャラくて、うるさい海里が今日はなんだか少しピリついてる。
海里に言われたとおり、2階に行き部屋の扉を開けた。
うわ、広い。机とソファ、パソコン、まるで校長室みたいだ。
「莉乃ちゃん、そこ座って」
「うん…」
想像以上にフカフカなソファ。
海里は私の向かいに座った。
「まず、ここは秀羽のお父さんが俺たちの為に作ってくれた場所なんだ。俺の家庭、色々複雑でさ居場所のない俺に用意してくれたんだ。そのうち、俺みたいに居場所がない奴らを集めたりして、学校終わりの放課後に着たり、泊まったりしてる」
「そうなんだ…」
海里がここで過ごしているなんて知らなかった。