触れないで、杏里先輩!
まさかの言葉に、私は顎が外れそうなくらいの大きな口から大迷惑な大きな声が出てしまった。
「あ、電車来るよ」
北川君はそんな私に気付かないのか無視をしているのか、落ち着いた顔で言った。
耳を澄ますとホームに電車の到着を告げるアナウンスが響いていることに気付いた。
「行こう」と北川君に笑顔で言われて、私は慌てて立ち上がる。
周りには数人生徒が白線の手前で電車が停まるのを待っているのが見える。
北川君は一番後ろの車両に向かっていく。
私のために少しでも人が居なさそうな所に乗ろうと考えてくれているようだ。
北川君……なんて心優しいお方!
そんな事を考えながら、私は北川君の背中を追っていく。
電車に乗り込むとその車両には数人しか乗っていなくて安心した。
北川君は三人並んで座れる端の座席を指差した。
「坂井さん、奥に座って?鞄を真ん中に置いて挟んで座ろう」
そう言われたが、私は動けずに鞄を両手で握りしめてしまう。
だってやっぱり怖い。
「あ、電車来るよ」
北川君はそんな私に気付かないのか無視をしているのか、落ち着いた顔で言った。
耳を澄ますとホームに電車の到着を告げるアナウンスが響いていることに気付いた。
「行こう」と北川君に笑顔で言われて、私は慌てて立ち上がる。
周りには数人生徒が白線の手前で電車が停まるのを待っているのが見える。
北川君は一番後ろの車両に向かっていく。
私のために少しでも人が居なさそうな所に乗ろうと考えてくれているようだ。
北川君……なんて心優しいお方!
そんな事を考えながら、私は北川君の背中を追っていく。
電車に乗り込むとその車両には数人しか乗っていなくて安心した。
北川君は三人並んで座れる端の座席を指差した。
「坂井さん、奥に座って?鞄を真ん中に置いて挟んで座ろう」
そう言われたが、私は動けずに鞄を両手で握りしめてしまう。
だってやっぱり怖い。