愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
 人差し指を彼の鼻にあてて。
 つい、言ってしまった。

 私だって何の経験もないままでは、今後の恋に差し障りがある。
 次は政略結婚ではなく普通に恋愛をして、その上で慎重に吟味を重ねてから結婚をしたいもの。

 でも、だからって?

「えっ?」
 いきなり、抱き上げられた。

「星光、俺はわかった。俺は星光が好きだ」

「あ……、綾星さん?」

 抱えられて下ろされたベッドの上。

「君は本当にかわいいな」

 かわいい?
 たったそのひと言で、ズキュンと胸が締め付けられた。

「かわいげがないの、間違いじゃないですか?」

 覆い被さる彼は私の頬をなでながら、「君はかわいい」と言う。

「こんなにかわいいのに、俺は本当に馬鹿だった」

 優しいキス。

 三年前の誓いのキス以来の二度目の口づけは、そっと触れるように、いたわるように思いやりにあふれていた。

 やっぱり紳士ねと思ったのもつかの間、続くキスは強引なまでに激しくて、唖然とする私に彼は妖しく微笑む、

「星光は俺の妻だ」

「綾星さん?」

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