愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
「すみませんね。氷室は今日は来ないんですよ。明日は来ると思うんですけどね」

「そうですか」

「大丈夫ですか? 連絡してみます?」
「いえいえ、大丈夫です。約束したわけじゃないので」

 明日渡してもらえるように言付けて、代わりにメモを残した。りんごバターのお土産も一緒に。

【写真は五條美々子が持っていました】
 これだけで十分に伝わるだろう。

 せっかくなのでそのまま食事を済ませて、私はマンションに帰った。


 綾星さんが帰ってきたのは何時頃だったのか。

 既に夢の中にいた私のベッドの中に彼は入ってきたらしい、朝、目覚めると彼は私にくっついていた。

 子供みたいに安心しきった寝顔で熟睡している。

 起こさないようにそっーと絡めてくる腕を解くと、ムニャムニャ言いながら寝返りを打つ。

 整髪剤をつけていない時の彼は途端に幼く見える。

 かわいいと密かにつぶやきながら、クスッと笑った。

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