愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
「寝言を言ってきた。俺はどうも舐められているらしい。伯父にも伯母にも美々子にも今まで優しすぎたな。これからは容赦しない。安心しろ星光、君は俺が守る」

 自らの言葉に納得したように大きく頷いた彼は、私の額にキスをしてバスルームに向かう。

 怒りの炎がメラメラと見えるような、やる気満々の後ろ姿だ。

 寝言を言ってきたって何だろう?
 そもそも寝言って、私が綾星さんに言い放った言葉なのに。

 写真を見たのよね。お姫さまだっこの写真と、ホテルに入る写真の両方を見て、がっかりしたんじゃないの?

 写真で誰かに脅迫されるかもしれないと前もって知らせたのは、何も知らない綾星さんが、相手の要求に答えるのを避けるためだ。
 目的がもし金銭の要求だった場合、綾星さんは私に伝えず要求を呑んでしまう可能性がある。そんな事態を避けるために伝えておいた。

 言い訳をするつもりはなかったから、どんな写真かは伝えなかった。

『罠をしかけたの。私が浮気をしているかのような写真を撮らせたのよ』

『なぜそんな』

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