愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
 妊娠中は私がひとりきりにならないよう、実家からフジ子さんが来てくれたりして何の不安もなかった。

 臨月を迎えて実家に返った時には母もずっと家にいて、どうやら籍を戻す話も出ていたらしい。
 星が生まれた時には両親はまた夫婦になっていた。

 実家に母がいるおかげで私は安心して里帰りが出来た。

 と言っても、父と兄という過保護はここにもいて、星が泣いた笑ったと言っては大騒ぎ。
 綾星さんも毎日来るしで、賑やかで。

 そんな里帰りも今日でおしまい。

 綾星さんが迎えに来て、私達は五條の実家に引っ越しをする。

 ハワイへいった伯父様一家が五條家の本邸を引き払い。一族の話し合いで綾星さんのご両親が本家として後を継ぐことになった。

 ご両親が住んでいた元の家に、私達が入る。

 出産後、私も少しだけ引っ越しの準備を手伝ったけれど、私を心配して、綾星さんがほぼ全部彼が仕切ってくれた。

 落ち着いたら、私が好きなように改装していいと言われているけれど、素敵な邸なのでどこも変えるつもりはない。

 伯父様一家はハワイで始めたレストランの経営が順調らしく、美々子も現地で恋人ができて幸せにしているようだ。


「さあ、行こう」
「はい」

 新しい生活に向けて、いよいよ出発だ。

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