一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「チョコ見るまでバレンタインって忘れてたし、そもそもそういうのあんまり興味ない。むしろ苦痛に感じる」
少しうんざりした顔をするので、すぐに話題を変えた。
「ふーん。モテる男も大変だね。なに食べる? カレー? ラーメン?」
候補を挙げたら、彼は溜め息まじりに返した。
「俺のイメージって酷くないか? 好きだけど毎日そればっか食ってたらさすがに飽きる」
「そうなんだね。沖田くんはそれで生きていけると思ってた」
クスクス笑ってからかったその時、彼に手を掴まれた。
「ここで無駄話してると店が閉まる。行くぞ」
「ちょっ……行くってどこに食べに行くの?」
沖田くんがスタスタと歩き出すので慌ててバッグとコートを持ってついていく。
「いいとこ」
どこか企み顔で微笑む彼に、「なんか怖いよ」とちょっと緊張しながら言い返した。
彼とふたりで食事なんて初めてで戸惑いを隠せない。
「そんなお化け屋敷に入るような顔するなよ」
沖田くんはフッと笑って、会社を出るとツーブロック先のビルの地下にある店に私を連れていく。


< 10 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop