一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「あの時の雪乃、固まってたよな」
クスッと笑う怜をじっとりと見た。
「もう面白がらないでよね。怜、あのね、私……今日寮に帰ろうと思う。郵便物も溜まってるだろうし」
思い切ってその話をしたら、彼は急に表情を変えた。
「危なくないか?」
「管理人さんにちゃんと確認するから心配しなくていいよ。いろいろ面倒かけちゃってごめんね」
心配そうに私を見る彼に明るく笑ってみせた。
ここにいるのは居心地がよくてとても幸せだった。
でも、足が治ったのだから、出て行かなくては。
このまま居続ければ離れるのが余計辛くなる。
すでに手遅れかもしれないけど。
それに、松本からは【今回は諦めるが、次は逃がさない。福井で会うのを楽しみにしてる】とメッセージが送られてきた。
覚悟を決めなくては。
頭ではわかっていたのだが、身体が松本を拒絶する。
人身御供にされるようなものだもね。
もっとも松本は神ではない。悪人だ。
「残念。うちの子になったと思ってたのにな」
芝居がかった口調で言ってガッカリした顔をする彼。
「二十七歳で同い年の娘がいるって変だよ」
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