一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
俺より自由に動けるから彼にも雪乃の動向を探ってもらったのだ。
「雪乃は辛かったでしょうね。二月ごろから食も細くなって元気もなくて」
ずっとひとりで悩んで俺からも離れようとして……。
松本悠馬も許せないが、雪乃の父親も許せなかった。
娘を守るのが父親じゃないのか。
「でも……あの子、さっき私に言ったんです。なんとかして断るって。でも義兄はとても頑固ですし、相手は雪乃を苦しめたあの松本です。そう簡単に断れるとは思わない」
……断るか。
だったらどうして俺から離れようとするのか。
いずれにしても絶対に離さないけど。
「大丈夫です。僕が必ず彼女を連れ戻します。大事な人ですから」
優しく微笑んで約束すると、叔母さんは俺に頭を下げた。
「雪乃のこと……頼みます」
「任せてください。その代わり、彼女を僕にください」
笑顔でそんなお願いをしたら、雪乃の叔母さんも「はい」と少し涙ぐみながら微笑んでくれた。
それから叔母さんとは駅のホームで別れ、客先に向かい、打合せを済ませて歓送会の会場の焼肉屋に向かう。

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