一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「雪乃眠いの?」
「……眠いけど……平気。電車が迎えに来て……くれる」
雪乃の発言が可愛くてつい笑ってしまう。
「いや、電車はさすがに迎えに来ないよ」
「……来る」
自分の主張を繰り返し、雪乃はテーブルに突っ伏した。
「雪乃、酒を注いだ俺が言うのもなんだけど、もっと警戒心持った方がいい。オオカミに簡単に襲われる」
席を移動して彼女の頬に触れるが、もう目を開けない。
今後酒の席ではあまり彼女に飲まないよう注意しよう。
俺がいない時に泥酔されては堪らない。
店の人に頼んでタクシーを呼んでもらい、雪乃を連れて家に帰る。
「雪乃、しっかり。もうちょっとでベッドだから」
半分寝ている彼女に声をかけて靴を脱がせる。
「……うっ、気持ち悪い」
家に上がった雪乃が突然口を押さえて屈み込む。
「吐きたいのか?」
俺が尋ねると、彼女は小さく頷いた。
酒、飲ませすぎたか。
雪乃を抱き抱えてトイレに連れて行き、声をかけた。
「いいよ。吐いて」
トイレに屈んで嘔吐する彼女の背中をさする。
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