昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
一度視線を下に落とし、それからまた戻す。
「雨夜くんは……?」
いつの間にか離していた雨夜くんの腕を、もう一度そっとつかんでたずねた。
「その……大丈夫、だった?」
「……うん」
雨夜くんが、笑顔でうなずく。
さっきのわたしと同じ、崩れそうになるのをこらえる笑顔だ。
心なしか赤い目元。もしかしたら泣いてきたのかもしれない。
心配になって、眉をハの字にして見上げる。
その先で、雨夜くんがゆっくりと口を開いた。
「俺も……会いに行ったことで、知らなかったことを知れたよ。母親の再婚相手の人が、教えてくれた」
雨夜くんは、一度目をつむって。
そしてひとつひとつ引き出すように、教えてもらったという情報を伝えてくれた。
雨夜くんのお母さんにとって、雨夜くんを捨てて好きな人を選んだ生活が、けっして幸せではなかったこと。
自分を責めてきたこと。雨夜くんに対し、ずっと申し訳なく思っていたこと。