昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
たくさんの後悔を、繰り返したこと。
相づちを打ちながら、これ以上なく真剣に、雨夜くんの話を聞く。
「それで……話を聞き終えてから。母親と、対面した」
「……っ」
「母親は……やっぱりなにも覚えてなくて。最初、俺の顔見て俺の名前聞いても……とくに反応、示さなかったんだ。すごくやるせない思いでいた。けど……」
少しだけふるえ出す、雨夜くんの声。
感情がうつって、胸が苦しくて呼吸が乱れる。
「その後……一瞬だけ。一瞬だけ……表情が、変わって。名前……呼んだんだ。俺の」
「……っ」
「涼……って、来てくれてありがとうって……そう言って……」
雨夜くんはそこで、上を向く。
涙がこぼれないように。わたしの目にも、気がついたら涙の膜が張っていた。
「俺……も。やっぱりそんなに簡単に、母親を許すことはできない、けど」
「うん……っ」
「でも……会えてよかった」