昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
雨夜くんの左目から、つうっと涙があふれる。
ほとんど同時に、自分の頬にもこぼれ落ちたのがわかった。
「あー……かっこ悪い」
「……っ」
泣き笑いで言う雨夜くんに、わたしは首を横に振る。
かっこ悪くない。かっこいいよ。
それに……かっこ悪くても、いいんだよ。
「永田さんの顔見たらホッとして……ごめん」
「ううん……っ」
「ほんとに、ごめん……ちょっとだけ」
ふっと、急にせばまった距離。
雨夜くんが、わたしの肩口に額をのせていた。
「……っ」
直接、じんわり、ジンジン伝わってくる。雨夜くんの体温と、雨夜くんの想い。
わたしは雨夜くんの背中に手を回し、ぎゅっと守るように抱きしめた。
守ってくれるのは、いつも雨夜くんのほうだった。
雨夜くんはいつも、わたしの手を引いてくれた。強い雨夜くんに憧れていた。
……でもね、雨夜くん。弱いところもあっていいんだよ。
わたし雨夜くんなら、全部受け止めたいよ。
寄りかかるばかりじゃなくて。引っ張ってもらうんじゃなくて。
一緒に、歩きたいんだよ。