エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「次は今週の土曜日と日曜日です」

「わかった。とりあえず空けといてくれ」

「空けといてって……?」

 予定なんてまったくないけれど、月城さんがなにを考えているのか知りたくて聞いてみる。

「ああ。俺のスケジュールをもう一度精査してから決めるから」

「……月城さんはお仕事でこっちに来ているんです。迷惑をかけたくありません」

「もうずいぶんと迷惑はかけられている」

 きっぱり口に出されると、助手席で身を縮こませるしかなくなる。

 彼はちらりと私の方へ視線を向け、すぐに前を見すえた。

「だから、気にしなくていい」

「気にしなくていいと言われても……」

「お前の言葉は聞き飽きている。着いたぞ」

 窓の外はホテルの従業員入口の駐車場だった。

「ありがとうございました」

 頭を下げる私の首のうしろへ月城さんの手が突然回って、彼の方へ引き寄せられる。

 顔を傾けた月城さんの魅力に抗いきれずに唇が重なった。

 啄むようなキスをして離れる。不意打ちのキスのせいで心臓の高鳴りが痛いくらいだ。

 視線の先の彼の唇にローズ色のリップがついている。

「く、唇拭いてくださいね」

 さっさと車から降りてドアを閉める。クルッと従業員入口の方へ向いた先に、ミランダがニヤニヤして立っていた。

「もー、朝からホットね。ま、あたり前よね。ずっと会えなかったフィアンセだもの」

「ミランダ、おはよう」
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