愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
起きたのなら、聞いてもいいだろうか…?


「弥生?」
「んふふ、なーに?」

「…俺との結婚嫌だったのか?」

「えー!そんなことないよー」


そんなことない…。

まずは一安心だな。
でもあのマスターの言葉が気になる。


「じゃあ何か不安な事とかあるのか?」
「不安なことー?」
「そうだ」


思いつくのは…。

そう。


「例えば俺の職業とか」


プロポーズの時は確かに喜んでいた。
その後弥生の様子が変わった。

俺の職業をカミングアウトした時からだ。

つまり不安を感じる要素としては一番に思い浮かぶ。


「…しょくぎょー?あー石油王ねー!それはねぜぇんぜぇん大丈夫!!」


職業じゃない?
ならなぜあんなに態度が変わったんだ?

・・・職業以外に一体どこに不安を感じたんだ?


「…わたしね~。すっごく悲しかったんだ」
「悲しい?」


「そう!アキさんに信用されてなくて~、職業を内緒にされてたのが一番悲しかったぁ!!」
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