愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
職業内緒にされたのが一番悲しかった?

つまりはなんだ?
俺の職業を秘密にされて信用されてないと思ったってことか…?

でもあの時の俺は…。
いやよく考えれば弥生は放心状態だったのかもしれない。


「…だからね」


酔ってる弥生の無防備な笑顔なのに。

どうして。

そんなに。


悲しそうな目をしているんだ?


「アキさんのお嫁さんに私は相応しくないかもって…」


あぁ。

そういうことか。


「私はアキさんに信用されてないから…だから……」


俺が弥生に職業を内緒にしていたから。
全て俺のせい。

だが頼む。

どうか、どうかその言葉の続きだけは…。



「……私、アキさんの婚約者辞退した方がいいのかな…って」


やめてくれ。
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