愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
弥生の言葉を聞いて俺は頭が真っ白になる。
キスを許したのか…?俺以外の奴から…?


「ドアを抑えられて、怖くて、避けることができなかった…。それを同僚に慰めてもらっていたの」


その時の光景を思い出したのか、少し震えている弥生を見てハッとして俺は弥生を抱きしめる。
俺の大事な人が震えて怯えているのに嫉妬している場合ではない。

俺が安心させないでどうするんだ…!


「…突然のことだったんだろ?ならしょうがない」
「しょうがなくないよ!!だって…、額とはいえキスを許しちゃったんだよ!!」
「は…?ひ、額?」
「そうよ!額でも許せなかった!アキさんのこと裏切りたくなんかなかったのに!!」
「お、おい…」
「それなのにあのクソ野郎!今でも許せないわ!!」


ガチギレ弥生降臨…。

普段大人しい人ほど怖いっていうが…、その通りだな。

でもそうか。
額か…。
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